公立の学校現場における「日の丸」・「君が代」の強制問題に関する意見書

2007年2月16日
日本弁護士連合会


本意見書について

日弁連は、1999(平成11)年7月、「国旗及び国歌に関する法律案」国会提出に関する会長声明において、「日の丸」・「君が代」に対する国民の考え方の多様性について述べた上、「国旗・国歌が尊重されるのは、国民的心情によるものであるべきで、法制化によって強制の傾向が強まることは問題である」と指摘していました。


しかしながら、今日の公立の学校現場では、入学式、卒業式等の学校行事において、国歌斉唱時に国旗に向かって起立しなかったこと等を理由として、教職員に対し、懲戒処分等の不利益処分がされるという事態が生じています。


日弁連は、公立の学校現場において、教育上の指導の域を超え、不利益処分を伴う国旗・国歌の強制がされている現状に鑑み、教育は、自主的かつ創造的になされるべきであって、教育の内容及び方法に対する国家的介入については抑制的であるべきであるという憲法上の要請をふまえ、子どもの権利の保障や教職員の思想・良心の自由等の観点から、2007年2月16日付で意見書を取りまとめました。


本意見書は、2007年2月21日に文部科学大臣、同月23日までに各都道府県・各市区町村教育委員会に提出されています。


意見の趣旨は、以下のとおりです。


  1. 各都道府県及び各市区町村教育委員会は、
    (1)各公立学校校長に対する通達ないし指導を介し、入学式、卒業式等の学校行事において、不利益処分ないし不利益取扱いをもって、教職員や児童・生徒に対し、国旗に向かって起立すること、国歌を斉唱すること、国歌斉唱の際にピアノ伴奏をすることを強制しないこと。
    (2)上記の通達を発している場合は、直ちに当該通達を廃止すること。
    (3)入学式、卒業式等の学校行事において、教職員に対し、国旗に向かって起立しなかったり、国歌を斉唱しなかったり、国歌斉唱の際にピアノ伴奏をしなかったりしたことを理由として、いかなる不利益処分も行わないこと。
    (4)教職員に対し、既に上記の不利益処分を行っている場合、直ちに当該不利益処分を取り消すこと。
  2. 文部科学大臣は、学習指導要領の「日の丸」・「君が代」条項に関し、同条項が、教職員に対し、入学式、卒業式等の学校行事において、国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する義務を負わせているとの教育委員会による解釈の下、公立の学校現場において、教育上の指導の域を超え、不利益処分を伴う国旗・国歌の強制がされている現状に鑑み、このような解釈がなされないよう同条項の見直しを検討すべきこと。

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