未決拘禁法案(刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案)についての日弁連の意見
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2006年(平成18年)3月16日
日本弁護士連合会
意見の構成と骨子
第1部 はじめに──法案に対する基本的スタンス
日弁連は、長年にわたり代用監獄の廃止と監獄法改正に取り組んできた。代用監獄制度については、「未決拘禁者の処遇等に関する有識者会議」の提言の趣旨に基づき、代用監獄の廃止に向けた議論を含め、取調べの可視化や身体拘束制度の改革など刑事司法制度の全体的な改革に向けて総力を挙げて取り組み、代用監獄の漸減・廃止に道筋をつける決意である。
第2部 代用監獄の廃止と監獄法改正に向けた日弁連の取り組み
(省略)
第3部 法案に対する意見
(省略)
第4部 今次の立法にあたり最小限対応を求める事項
第1 代用監獄が弊害のある制度であることを確認し、廃止の方向性を明確にさせる
- 警察内部での分離によっては代用監獄の弊害が克服されていないことを明らかにする。
- 法制審要綱における代用監獄漸減条項を法案の附則ないし附帯決議に盛り込ませる。
- 刑事手続全体の在り方についての検討を始めるべきことを確認する。
- 法案が代用監獄を恒久化するものでないことを確認する。
- 大規模独立留置場は拘置所に転換するべきである。
- 重罪、否認事件等の拘置所収容を原則化する。
第2 代用監獄における処遇の改善を求める
- 反則制度の新設に反対し、過剰収容状況の解消に努めてこの制度を早期に廃止することの確認を求める。
- 防声具については保護室の整備計画を明らかにさせ、早期廃止を確約させる。
- 一般面会の立会い若しくは録音・録画を一律に義務化するのではなく、拘置所における一般面会と同様に例外規定を設けるべきである。
- 留置施設視察委員会に弁護士会推薦の委員を必ず選任されるべきことを確認する。
- 真に独立した留置施設不服審査会の設置を求める。
- 捜査と拘禁の完全な分離を求める。
第3 拘置所と留置場共通の未決拘禁者に対する処遇の改善を求める。
- 未決拘禁者の処遇原則に無罪推定を受ける者にふさわしい処遇を盛り込むことを求める。
- 電話とファックスの利用を制度化するべきである。
- 弁護人に対する面会の停止規定は削除するべきである。
- 夜間・休日の面会規定の充実を求める。
- 未決拘禁者が弁護人等に発する信書の検閲は認められない。
- 1日1時間の運動時間の保障を法案に盛り込むべきである。
- 余暇活動等の援助規定を活用し、未決拘禁者に対する労働と教育の機会の保障を実現する。
- 防御権の保障の観点から、保管私物の制限において訴訟記録や訴訟関連の本など防御活動に必要な私物は制限の範囲外であることを確認する。
- 健康保険、雇用保険の適用について具体的な検討を開始するべきである。
第4 死刑確定者の処遇について
- 死刑確定者の処遇は人間としての尊厳を尊重してなされるべきである。
- 死刑確定者の外部交通は受刑者並みにするべきである。
- 死刑確定者と再審請求弁護人との面会は立会いなしとすべきである。
- 死刑確定者に対して共同で行われる活動を積極的に実施するべきである。
第5 その他
- 女性被拘禁者の取扱いに関する原則を確立すべきである。
- 受刑者処遇法の面会規定の改正は認められない。
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