税関における水際取締りの今後の在り方に関する意見書

2004年11月19日
日本弁護士連合会


本意見書について

はじめに

海外で製造されたわが国の知的財産権侵害品等が多数日本国内に流入するようになった。アジアを中心とした海外企業の製品製造能力が格段に進歩したこともあって、模倣品・海賊版の態様も多種多様となり、製品の外観のみから一見して侵害を判断することが困難な事案も増加している。このような現状の下で、税関で適切に模倣品・海賊版対策を実現するべく水際取締り制度の早急な整備が望ましいことは言うまでもない。しかし、水際での輸入差止めは、権利者にとっては、簡便に申し立てられ、市場において決定的に有利な立場を保持することを可能にする反面、誤った判断の場合には、輸入者にとって、その事業経営に回復困難な影響を与える場合がある等社会的・経済的影響力が大きい制度である。


そして、そのような水際での侵害判断は、高度な法律的判断を必要とするため、当事者に対しては手続的保障をするとともに、その判断には法律家の関与が是非とも求められる。


当連合会は、以上の問題意識を踏まえて、税関における水際取締りについて、税関長による判断及び裁判所による仮処分手続等の現行制度の問題点を指摘した上で、適切かつ迅速な税関手続の実現のために、同手続の今後の在り方について、以下のとおり意見を述べるものである。


(※全文はPDFファイルをご覧下さい)