「青少年健全育成基本法案」に対する意見書

2004年5月8日
日本弁護士連合会


本意見書について

第1 意見の趣旨

与党は、本年3月24日、参議院に「青少年健全育成基本法案」(以下「基本法案」という)を提出した。当連合会は、青少年の育成に関する包括的基本法制定の必要性については反対するものではないが、「基本法案」については重大な問題点や検討が不十分な点を指摘せざるを得ず、以下のとおり、大幅な修正が必要であると考える。


  1. 「基本法案」について、日本国憲法、子どもの権利条約、国連子どもの権利委員会の第2回日本政府報告書審査に基づく最終見解の趣旨をふまえ、「基本法案」の対象となるもののうち、とりわけ20歳未満の青少年である子ども(以下「子ども」という)について、子どもの成長発達権及び子どもの最善の利益原則を基本理念にすえ、子どもの意見表明・参加の権利、差別禁止などの条項を盛り込むことを含め、真に青少年の成長支援に関する包括的基本法に相応しい内容となるよう修正すべきである。
  2. 「基本法案」附則第2条では、昨年12月に政府の青少年育成推進本部で策定された「青少年育成施策大綱」(以下「育成施策大綱」という)を、同法の成立施行とともに同法の規定により定められた大綱とみなすとされているが、これをそのまま追認するべきではなく、子どもの成長発達権保障を基本にすえ、その制定過程に子どもの参加を保障した上で、新たな大綱を策定すべきである。

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