「商法等の一部を改正する法律案要綱」中間試案に対する意見

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1999(平成11)年9月10日
日本弁護士連合会


本意見書について

1. 総 論

「商法等の一部を改正する法律案要綱」中間試案(以下、中間試案という)は、企業再編のための法整備の一環として、会社分割法制の創設を行うとするものである。これまで企業再編のための商法改正作業として平成9年に合併法制の合理化の商法改正がなされ、さらに平成11年8月9日持株会社の創設のための株式交換制度を導入する商法改正が成立したところである。今回の中間試案はこれらの一連の商法改正とともに企業の競争力強化に必要な企業の再編のための新たな法制度の創設を目指すものであり、現行商法には会社分割の制度がなく簡易、迅速な事業再編の手法として会社分割法制の創設を必要とする社会的要請が強いことから中間試案に対しては法改正の理由があるので賛成する。なお、単位弁護士会の意見として、会社分割が労働者の解雇というリストラの目的で濫用されるおそれを指摘し、会社分割にあたっては雇用契約の承継や解雇制限等労働者の地位や労働条件の維持につき立法的措置を求める強い意見があった。これらの指摘の点については、労働法制等により、事業者に雇用されている者の失業の予防その他雇用の安定について配慮する立法的手当も必要と思われる。しかしながら、会社分割に伴って営業譲渡が一般になされるところ、労働契約関係の承継や労働債権の問題はその中で処理されることが予想され、人員整理、解雇制限の法理が適用されることから、会社分割法制そのものの規定としては、これらの立法的手当は検討の範囲としない。


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