情報監視審査会平成28年年次報告書に関する意見書

 

2017年9月15日
日本弁護士連合会

 

本意見書について

日弁連は、2017年9月15日付けで「情報監視審査会平成28年年次報告書に関する意見書」を取りまとめ、同月15日付けで内閣総理大臣、衆議院議長、参議院議長、衆議院情報監視審査会委員、参議院情報監視審査会委員、独立公文書管理監および内閣府公文書管理委員会委員長に提出しました。

 

本意見書の趣旨

1 該当する行政文書が存在しない場合に特定秘密指定は行うべきでない。例外としての、いわゆる「あらかじめ指定」や職員等の知識としてのみ存在する特定秘密の指定は、近い将来に行政文書が出現することが確実で、高度の必要性がありやむを得ない場合に限定すべきである。


2 特定秘密が記載された行政文書は、特定秘密の指定の有効期間満了まで確実に保存し、その後、保存期間が経過したときは、原則として全て国立公文書館等に移管する旨を公文書管理法等に規定するとともに、特定秘密が記載された文書が行政文書に該当しない場合であっても、特定秘密の指定の有効期間満了後は、当該特定秘密の内容が確認できるような措置を講ずべきである。


3 各行政機関における定期点検及び内部監査の実効性を高めるため、各行政機関内部における定期点検及び内部監査につき、定期点検や内部監査の実施時期や調査項目を明確化し、これらの実施方法を両院情報監視審査会が事前に確認するとともに、定期点検及び内部監査結果の公表を義務付けるべきである。


4 両院情報監視審査会による調査の実効性を確保するため、特定秘密の提示要求のための採決要件を緩和し、衆議院情報監視審査会規程及び参議院情報監視審査会規程に明文の規定を設けるべきである。


5 両院情報監視審査会からの求めがあったときは、行政機関は、全ての非開示情報等の報告等をしなければならない旨の規定を、国会法等に設けるべきである。


6 特定秘密の指定要件である非公知性については、事実上不特定多数の人に知られるに至った場合は、行政機関の公表の有無にかかわらず、非公知性が失われたとすべきである。


7 適性評価の実施に関し、評価対象者が不同意とした場合や、評価の結果不適格とされた場合に不利益を受けないことを担保する制度を設けるべきである。


8 サードパーティールール(第三者に情報を提供する場合、当該情報を提供した外国の情報機関等の了承を事前に得た上で行う原則)に係る特定秘密につき、サードパーティールールに係る特定秘密であることを理由とする提供拒否は原則として許されないとした上で、提供を拒否することができる場合について明確な要件や手続が定められるべきである。


9 両院情報監視審査会は、特定秘密の提示要求を活用する等の方法により、特定秘密の指定が適正になされているかをより積極的に調査すべきである。


10 政府は、両院情報監視審査会による平成27年年次報告書及び平成28年年次報告書において指摘された意見等について速やかに対応するとともに、対応状況を公表すべきである。

 

(※本文はPDFファイルをご覧ください)