法律業務に伴う弁護士による信託の引受けを信託業法の適用除外とする法整備案について(意見書)

2006年11月20日
日本弁護士連合会


 

本意見書について

弁護士は、依頼を受けた法律業務を処理するにあたり、依頼者のために金銭その他の財産を預かったり、依頼者のために預かった金銭その他の財産を管理・処分することを日常的に行っていますが、こうした行為は、信託の引受けに該当すると解されます。また、高齢者や障害者の財産管理や財産承継を目的とする福祉型信託において、弁護士が受託者として信託事務を処理することは、現代社会の要求に適切に対応するものとして、きわめて重要であります。


ところで、弁護士が法律業務の一環として行う上記のような信託受託については、信託業法にいう「営業」ではなく、「信託業」には該当しないと考えるべきですが、その点についての明文規定が存しないことから、解釈論上の疑義や実務上の懸念が生じ得る状況にあります。


そこで、民事信託の発展をその目的の一つとする信託法の全面改正に際して、弁護士業務の従来からの実務運用の適法性運営を確認するとともに、今後の民事信託の発展への萎縮効果をもたらすことがないよう、法律業務に伴う弁護士による信託の引受けが信託業法の適用除外となる旨を法文上明らかにする法整備を行うべきです。


この意見書は、2006年11月20日に金融庁長官宛に提出されました。

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