犯罪被害者等支援弁護士制度創設に係る総合法律支援法の一部を改正する法律の成立に関する会長談話


本年4月18日に、殺人罪、危険運転致死罪などの遺族や性犯罪の被害者を、早期の段階から弁護士が一貫して支援する犯罪被害者等支援弁護士制度(以下「本制度」という。)の創設を盛り込んだ総合法律支援法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)が成立した。


当連合会は、これまで、会員の会費を原資として、被害直後等の犯罪被害者や遺族の法的支援を行う犯罪被害者法律援助事業を行ってきた。また、2012年3月15日付け「arrow_blue_1.gif被害者法律援助制度の国費化に関する当面の立法提言」、2017年の第60回人権擁護大会における「arrow_blue_1.gif犯罪被害者の誰もが等しく充実した支援を受けられる社会の実現を目指す決議」及び2019年11月22日付け「arrow_blue_1.gif国費による犯罪被害者支援弁護士制度の導入を求める意見書」を公表するなどして、国に対し、国費による犯罪被害者支援弁護士制度の導入を積極的に働きかけてきた。


この度の改正法により創設される本制度は、多くの犯罪被害者や遺族が長年その制度化を求めてきたものであり、当連合会としても高く評価する。


今後、2026年までとされる本制度の運用開始に向けて、対象となる犯罪や利用要件、利用者の費用負担など詳細な本制度の内容について引き続き検討されることになる。その際には、改正法成立の際の附帯決議にもあるとおり、犯罪被害者等が費用負担等を理由として制度の利用を躊躇することのないような制度設計が望まれる。


また、その附帯決議において「施行後の本法の運用状況を勘案し、我が国及び諸外国における犯罪被害者等施策の動向も踏まえ、本法による支援の対象となる犯罪、資力要件及び支援内容等について検討すること」とされている点からすれば、本制度の運用開始後も、引き続き本制度のさらなる拡充に向けた検討が必要である。


当連合会は、犯罪被害者や遺族が、あまねく全国において適切な法的支援を受けることができるよう、犯罪被害者等支援業務を行う弁護士の養成と確保に努めるとともに、関係機関との緊密な連携を図り、さらに充実した本制度の確立に向けて引き続き取り組んでいく所存である。



2024年(令和6年)4月25日

日本弁護士連合会
会長 渕上 玲子