令和6年能登豪雨災害に係る被災者支援についての会長談話
本年1月1日に発生した令和6年能登半島地震により、能登地方においては、今なお下水道の復旧もままならないほどの甚大な被害が生じました。発災から9か月目となり、ようやく仮設住宅への入居が開始されるなど復興への糸口を掴みかけたところでしたが、同年9月21日から22日にかけて降り続いた豪雨が再び能登地方を襲い、土石流や河川氾濫等による豪雨災害が発生しました。
この度の豪雨で亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表するとともに、地震発生後も希望を失わず、生活再建や地域の復興に向けて奮闘されてきた能登地方の方々が、重ねて豪雨被害に遭われたことに心よりお見舞い申し上げます。
先の地震を受け、当連合会は令和6年能登半島地震災害対策本部を設置し、無料の電話相談を実施するなど、被災された方々の生活再建の一助となる支援活動を継続してまいりましたが、この度の豪雨災害についても、先の地震と同一地域で発生したことを踏まえ、より一層の被災者支援体制の拡充に努める所存です。具体的には、無料電話相談の継続や、被災地における現地相談会などの後方支援の拡大に努めてまいります。
同時に、今回の豪雨災害の要因については、特定非常災害に指定された令和6年能登半島地震やその余震の影響により被害が拡大した可能性があることから、国及び自治体に対しては、被害実態に照らして住宅再建に資する罹災証明書の認定を行うべく柔軟かつ弾力的に認定事務を遂行すること、及び、二度にわたって被災された方々に対し、それぞれの被災状況に応じた公的支援制度を活用できるよう、災害対策基本法、災害救助法、被災者生活再建支援法、総合法律支援法等、被災者支援に関連する法令を適切に運用することを求めます。また、それだけにとどまらず、国及び自治体に対し、能登地方の復興に向けた特別な措置を求めていきます。
加えて、厳しい寒さを迎える時期に当たり、大規模な災害が連続して発生したことによるインフラ復旧の遅れや医療・介護の体制が十分に整わないこと等により、生活環境や健康状態が悪化するなどして災害関連死が生じることがないよう、改めて十分な見守りの体制を拡充することを国及び自治体に要請します。
当連合会は、金沢弁護士会を始め、日本司法支援センターなど関係機関とも連携しながら、被災された方々やその地域が、再び希望を持って生活再建に取り組めるよう、一人ひとりの復興に向き合う災害ケースマネジメントの実践に向けて、全力を尽くす決意です。
2024年(令和6年)10月1日
日本弁護士連合会
会長 渕上 玲子