ハマス等パレスチナ武装勢力及びイスラエル双方に対して直ちに恒久的な停戦を求め、日本政府に対してその実現に向けて働き掛けることを求める会長声明
ハマス等パレスチナ武装勢力(以下「ハマス等」という。)が本年10月7日に行った攻撃で激化したハマス等及びイスラエル間の紛争は、1か月以上が経過し、現在は一時的な戦闘休止がなされているものの、いまだ恒久的な停戦に向けた行動はなされていない。
11月10日時点において、イスラエル側の死者数が1,200人以上(国連人道問題調整事務所(UNOCHA)発表)、ガザ地区での死者数が1万1,078人(ガザ地区地元当局発表)とされている。また、ガザ保健省のデータによると、11月3日時点のガザ地区での死者数のうち、67%が子どもや女性とされているほか、少なくとも192人が医療従事者とされている。ハマス等側に捕らえられたとされる約30人の子どもを含む約240人の人質について、その一部が複数回に分けて解放されているものの、いまだ全員の解放には至っていない。
紛争当事者には常に国際人道法及び国際人権法の規則を遵守することが求められる。特に子ども及び医療従事者については、その保護のための特別の規定が用意されており、このように大勢の、子ども及び医療従事者を含む人命等の犠牲を正当化できるものは何もない。ハマス等及びイスラエル双方が行っていることは国際人道法及び国際人権法に違反するものである。
当連合会は、ハマス等側に人質全員の解放を即時に行うことを求めるとともに、イスラエル側も直ちに恒久的な停戦に向けた行動をとることを求める。
また、日本政府に対しても、国際社会と連携して双方に対して恒久的な停戦と人質の解放並びに国際人道法及び国際人権法の遵守を求めるように働き掛けることを求める。
当連合会は、人権の尊重と平和の実現の観点から、この声明を公表する。
2023年(令和5年)11月29日
日本弁護士連合会
会長 小林 元治