延期後の令和2年司法試験の実施に関する会長談話


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2020年(令和2年)5月15日、司法試験委員会は、令和2年司法試験及び司法試験予備試験の実施時期等を発表した。試験の延期決定から速やかに試験会場を確保し、関係機関との調整を行った司法試験委員会及び関係者の尽力に敬意を表する。


司法試験が実施される本年8月の時点においても、新型コロナウイルス感染症の拡大を警戒すべきことに変わりはない。試験の実施に当たっては、試験会場において、受験者相互の適切な距離の確保を含む様々な感染防止対策が求められる。司法試験委員会においては、受験生が安心して受験できる体制を整備し、受験生の安全確保のための万全の措置を講じられたい。


また、司法試験の実施時期が当初の予定から約3か月延期されたことにより、合格発表の時期も例年より後ろ倒しとなることは避けられない。合否の発表が遅れることにより、合格者の司法修習の開始時期や就職時期も遅くなったり、経済的負担が増えたりする可能性があり、その人生に与える影響も深刻である。司法試験委員会には、採点事務の合理化や司法試験考査委員の増員等、採点期間の短縮に向けた更なる工夫を求める。


そして、仮に次期の司法修習の開始時期が遅れることとなった場合であっても、次期司法修習生に対して、これまでと質量ともに変わらぬ内容の修習の機会が提供されなければならない。最高裁判所には、当連合会及び法務省と連携協議しながら、十分な修習日程の確保を求めるものである。


当連合会は、司法試験の円滑な実施及び充実した司法修習の実現のために必要な事項について積極的に協力する所存である。


 2020年(令和2年)5月15日

日本弁護士連合会
会長 荒   中