新65期の司法修習を経た者の修習貸与金の返還期限を迎えての会長談話

本年7月25日、新65期の司法修習を経た者の修習貸与金の返還期限を迎えました。


当連合会は、本年5月25日の定期総会において、いわゆる谷間世代(修習期間中に給費ないし給付の支給がなかった世代)が、その経済的負担や不公平感等によって法曹としての活動に支障が生じることのないよう、引き続き国による是正措置の実現を目指すこと及び当連合会内で可能な施策を早期に実現することに力を尽くす旨の決議をしました。


谷間世代の人数は、約1万1000人にも及び、弁護士のみならず裁判官・検察官など全法曹の約4分の1の割合を占め、司法の人的インフラを支える大きな柱となっています。谷間世代が社会の現代的課題及び新たな種類・分野の紛争の解決などにチャレンジすることに支障が生じるようなことがあってはなりません。


当連合会は、新65期の司法修習を経た会員を対象にした返還資金の緊急貸付を実施し、更に谷間世代の会員に対する会費軽減等の措置を検討しています。


しかし、谷間世代の問題は、当連合会の会員だけでなく、裁判官や検察官などにもかかわるものであり、国による是正措置が必要です。多くの国会議員から谷間世代に対する温かいメッセージが届けられているところですが、その実現のためには立法事実を集積し、この問題に対する国民の理解を得ることが大切です。


当連合会は、この問題に対する国民の理解を得るための活動を続け、国による谷間世代の者への是正措置の実現を目指すこと及び当連合会内で可能な施策を早期に実現することに力を尽くす所存です。



  2018年(平成30年)7月26日

日本弁護士連合会      

 会長 菊地 裕太郎