大阪地検特捜部前部長及び同前副部長の逮捕についての日弁連コメント

2010年(平成22年)10月1日
日本弁護士連合会

本日、大阪地検特捜部前部長及び同前副部長が、犯人隠避容疑により逮捕されたとの報に接した。


報道によれば、両名は、郵便不正事件の証拠品のフロッピーディスクの改ざんが主任検事の故意によるものであるとの報告を受けながら、大阪地検検事正及び次席検事に故意ではないとの虚偽の報告をし、改ざんされたフロッピーディスクの調査を行わなかったとのことである。これが事実であるとすれば、大阪地検特捜部が、組織ぐるみで客観証拠を歪め、無辜の一市民を逮捕し、5か月にもわたり拘置し、冤罪に陥れる端緒を作り上げたことになり、この一連の事件が、単に主任検事個人の問題でなく、検察組織自体の在り方に起因する深刻な問題であることが露呈したことになる。


本件が、このように検察組織全体の在り方を問う事態に発展している以上、その真相解明は、最高検察庁の内部組織のみに委ねられるべきでないことは明らかである。当連合会は、国民の刑事司法に対する信頼を著しく失墜させたこの一連の事件の真相解明が、独立した第三者の参加による客観的で公正な組織により行われることを強く求めるものである。


以上