「捜査手法、取調べの高度化を図るための研究会」への参加に関する会長談話

深刻な冤罪事件が次々と明らかになる中、参議院では二度にわたり取調べの可視化(取調べの全過程の録画)を内容とする刑事訴訟法改正案が可決され、民主党、社民党など政権与党の今次総選挙マニフェストでも、無条件の取調べの可視化が公約されている。


取調べの可視化実現に向けて取り組んできた当連合会は、今般の政権交代を受け、早急な可視化実現を訴えているところであるが、今回、国家公安委員会委員長の下での「捜査手法、取調べの高度化を図るための研究会」について参加の打診を受けたことから、これを検討した。


同研究会は、2010年1月頃から1年程度行われ、その中では、可視化の実施と捜査の在り方の議論も行われるとのことから、当連合会は、あらゆる機会を通じて可視化の早期実現を求めるべきものと考え、同研究会に委員を推薦することとした。


当連合会は、同研究会への参加にあたり、改めて可視化の実現に向けて、下記の立場を明らかにする。



  1. 取調べの可視化は、緊急の課題であり、他の捜査手法の導入如何にかかわらず実現されるべきものであること。
  2. 上記研究会の存在や議論状況を理由として、取調べの可視化の立法や運用による実施を遅らせるべきではないこと。

2010年(平成22年)1月28日


日本弁護士連合会
会長 宮﨑 誠