菅家利和氏(足利事件)の釈放にあたって(会長談話)
本日、足利事件再審請求人の菅家利和氏は釈放され自由の身となった。
東京高等検察庁は、本件DNA再鑑定の鑑定結果が「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に該当する蓋然性が高いので、本件再審の開始については、裁判所において、しかるべく決定されたい」とする意見書を東京高等裁判所に提出し、宇都宮地方検察庁検察官が、無期懲役刑で千葉刑務所に服役中であった菅家氏の刑の執行を停止した。
当連合会は、かねてから菅家氏の無実を信じ、再審開始に向けた支援の活動を行ってきたものであり、本年5月22日の会長談話において、検察官に対し、DNA再鑑定の結論を受け容れ、菅家氏の刑の執行を停止することを求めていたところである。
検察官が再審開始を容認し、菅家氏の身柄を解放したことについては高く評価する。
当連合会は、東京高等裁判所が速やかに再審開始決定を行い、菅家氏が完全無罪判決を勝ち取るまで、引き続きあらゆる支援を惜しまないことをここに表明する。
なお、本件は、冤罪者であっても容易に自白に至る現実を改めて明白にしたものであり、取調べの全面可視化の要請は一層強まったというべきである。
2009年6月4日
日本弁護士連合会
会長 宮﨑 誠