商品取引所法及び商品投資に係る事業の規制に関する法律の一部を改正する法律案についての会長談話

本年3月3日、商品取引所法及び商品投資に係る事業の規制に関する法律の一部を改正する法律案が閣議決定され、国会に上程された。


今回の改正法案は、商品先物取引が国内で行われるか海外で行われるか、また、取引所であるか店頭取引であるかを問わず、隙間のない包括的規制を行うものである。また、不招請勧誘禁止ルールについても、政令指定制で導入している。


これまで当連合会は、一貫して商品先物取引被害の救済と防止のため活動してきた。とりわけ、隙間のない包括的横断的規制については、1990年からその必要性を提言し、また、不招請勧誘禁止ルールの導入については、被害防止のため特に重要であるとして、繰り返し強調してきたところである。


今回の法改正は、このような観点からすると、不招請勧誘の禁止対象が政令指定制ではあるが、当連合会の主張を実現しようとするものであり、評価できる。また、隙間のない包括的規制を行い、これまで参入規制がなかった海外先物取引や店頭先物取引についても許可制を導入するなど規制を強化しようというものであって、当連合会の提言を相当採り入れたものといえる。


海外商品先物取引、ロコ・ロンドンまがい取引等の先物取引被害が日々発生し続けている現況下で、この法律は、これらの被害の予防と救済に多大な効果を発揮することが期待される。


改正法案が、与野党の充実した審議を経て、今国会で速やかに成立することを望むものである。


当連合会は、先物取引はプロ同士の取引であるべきであり、そこに一般消費者が巻き込まれて被害を受けるという事態があってはならないことを繰り返し指摘してきたところである。


とりわけプロ・アマ規制、商品先物取引仲介業の登録要件、店頭先物取引規制、不招請勧誘禁止取引の政令指定などについては、経済産業省及び農林水産省は、産業構造審議会商品取引所分科会報告書に明記されている「利用者トラブルは撲滅される必要がある」との指摘を重く受け止めて、改正法案成立後の政省令整備を行うべきである。


当連合会は、今後も消費者被害の防止と救済のために、活動していく所存である。


2009年(平成21年)3月12日


日本弁護士連合会
会長 宮﨑 誠