泡瀬干潟埋立事業訴訟那覇地裁判決の控訴に関する会長談話

1 沖縄県及び沖縄市は、泡瀬干潟埋立事業及び沖縄市東部海浜開発事業に関し、「一切の公金を支出し、契約を締結し、又は債務その他の義務を負担することを禁ずる」との那覇地方裁判所の判決に対し平成20年12月2日控訴した。誠に遺憾と言わざるを得ない。


2 泡瀬干潟について、当連合会は、2度にわたる意見書において、泡瀬干潟埋立事業に関する環境影響評価は杜撰であり、経済的合理性はないこと、また、泡瀬干潟埋立事業に関して沖縄市長が2007年12月に表明した一部については計画を見直し、一部については当初計画通りの埋立を行うという見解について、同埋立地の利用計画は明確性を欠いていると指摘してきた。


3 今回の那覇地方裁判所の判決は、泡瀬干潟埋立事業及び東部海浜開発事業の経済的合理性は認められず、現在進行中の埋立事業は地方自治法・地方財政法に違反する違法なものであると断じている。埋立事業者である沖縄県と国は、一審判決を尊重して直ちに泡瀬干潟埋立工事を中断して、同事業の計画について再検討を行うべきことは当然であり、埋立工事をいたずらに続行して公費を支出することは到底許されない。


4 本件事業がかけがえのない貴重な自然を失うだけでなく、経済的合理性もないことが明らかにされたこの機会に、当連合会は、関係者に対し、あらためて次のことを要請する。
① 沖縄県及び国は、泡瀬干潟埋立工事を直ちに中止すること
② 沖縄県及び沖縄市は、泡瀬干潟埋立事業及び東部海浜開発事業を中止すること

2008年12月5日


日本弁護士連合会
会長 宮﨑 誠