長崎市長に対する銃撃事件についての会長声明

4月17日午後7時50分ころ、JR長崎駅前で今月22日投開票の統一地方選挙の同市長選に立候補していた伊藤一長長崎市長が暴力団幹部に背後から短銃で銃撃され、死亡するという事件が発生した。


これは、選挙期間中の凶行であり、その動機がいかなるものであれ、政治活動に対する重大な挑戦にほかならない。


暴力団員が銃器を使用して尊い人命を奪ったことは、国民を不安に陥れる卑劣な行為であるだけでなく、暴力と脅迫によって言論の自由を抑圧しようとするものであって、基本的人権の尊重及び民主主義を基盤とする憲法秩序からしても、断じて許されるべきものではない。


当連合会は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする立場から、今回の暴力行為に対し強い憤りを表明し、今後とも表現の自由の確立に向けて一層の努力を続けるとともに、社会からかかる暴力行為や、銃器犯罪を根絶するよう、国民と共に断固として行動することを、ここに改めて決意する。


2007年(平成19年)4月20日


日本弁護士連合会
会長 平山 正剛