貸金業制度及び出資法の上限金利見直しについての会長談話
貸金業制度及び出資法の上限金利の見直しを検討してきた自由民主党貸金業制度に関する小委員会等合同部会及び公明党財政・金融部会等合同会議は、「貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案要綱」を承認した。
自由民主党は、本年9月19日「貸金業法の抜本改正の骨子」を取りまとめていたが、同骨子に盛り込まれた利息制限法の金額刻みの引き上げ、特例高金利の設置などは「業界寄り」との批判を受けていた。
本日承認された要綱では、この部分は撤回された。さらに、借り手の自殺を保険事故とする生命保険契約締結の禁止や利息制限法の金利を超える貸付契約についての公正証書の作成嘱託の禁止など被害の実態に配慮した改正も盛り込まれた。
当連合会は、利息制限法の金額刻みの引き上げや特例高金利に反対し、2,000人パレードを実現するなど高金利引き下げを求める広範な市民と共同して出資法の上限金利の利息制限法までの例外なき引き下げに取り組んできた。
自由民主党と公明党が世論に耳を傾け、同骨子での問題点を払拭し、さらに実態に見合った対策を付け加えたことを高く評価する。
当連合会は、今臨時国会において、改正法案を速やかに成立させることを強く要望するとともに、今後ともヤミ金融対策、多重債務者に対する相談体制の更なる拡充など多重債務問題解決のために精力的に取り組むことを誓うものである。
2006年(平成18年)10月25日
日本弁護士連合会
会長 平山 正剛