米兵による少女暴行事件に関する談話

去る9月4日沖縄県で発生した米兵による女子小学生ら致暴行事件は、沖縄県民だけではなく全国民に大きな衝撃を与える共に、今なお戦後が終っていないことを強く認識させた。


殊に警察当局の逮捕状に基づく被疑者の身柄引渡要求に対し、米軍が日米地位協定17条5項(C)を理由に起訴前の身柄引渡を拒否したことは、同地位協定の司法権に関する不平等性をあらためて明らかにした。


わが国の領域内で犯罪を犯した者は、国籍の如何を問わず、わが国の法律の下で平等に取り扱われるべきであり、このことが人権の保障と社会正義の実現にかなうものである。


われわれは、政府に対し、日米地位協定の不平等条項の改正を含め、速やかにその見直しを行うことを求める。


1995年(平成7年)10月21日


日本弁護士連合会
会長 土屋公献