新任拒否に関する談話

最高裁判所は、本日第46期司法修習終了者の任官希望者105名中1名を採用しなかったことを明らかにした。


当連合会は、かねてから裁判官の新任拒否問題につき関心を持ち、不当な新任拒否に反対し、かつ、最高裁判所は本人の求めがあれば不採用となった司法修習終了者に対して、その理由を明らかにすべきであるとの見解を幾度となく表明し、要望してきたが、これまで最高裁判所は遺憾ながらかかる要望を受け入れてこなかった。


そもそも裁判の公正は、裁判官の任用の公正なくしては有り得ない。しかるに、従前の不採用についても、思想・信条を実質的理由にしての拒否であるとの疑念が存するところ、最高裁判所がかかる疑念を払拭できないことは、国民の裁判に対する信頼をそこなうおそれがあるのみならず、裁判官任官を希望する司法修習生の萎縮をももたらしかねない。 当連合会は、改めて最高裁判所に対し、本人の求めがあれば不採用となった司法修習終了者にその理由を具体的に明らかにされるよう要望する。


1994年(平成6年)4月6日


日本弁護士連合会
会長 土屋公献