内藤国賠訴訟控訴審判決に関する声明
本日、東京高等裁判所は、違法検問監視弁護活動に従事中、違法に逮捕された内藤隆弁護士から東京都に対する国家賠償請求訴訟において、一審の東京地方裁判所の原告勝訴判決を維持し、東京都の控訴を棄却する判決を下した。
この判決においても、一審判決で認められた警察の検問自体を違法とし、公務執行妨害罪の保護を受ける公務に該当しないとの判断及び原告(被控訴人)の暴行がなかったとの事実認定が維持された。
当連合会は、かねて集会参加者への違法検問や弁護活動に対する妨害に関し、重大な関心を抱き、1970年6月23日、違法検問について警察庁長官に警告を行うなどしてきたが、内藤弁護士の違法逮捕についても、1990年11月14日及び1993年4月16日に、弁護士全体にとって到底看過できないとする声明を発表した。
当連合会としては、本日の判決によって、内藤弁護士の業務活動が正当に評価されたことを喜ぶとともに、警察当局に対し、今回の判決を重ねて反省の素材とし、検問にあたって市民の自由や弁護活動を侵害したり、違法な権力行使に及ぶことのないよう強く訴えるものである。
1994年(平成6年)5月18日
日本弁護士連合会
会長 土屋公献