刑事施設法案及び留置施設法案の廃案に関する会長声明
去る6月18日、衆議院の解散により、1991年4月再々提出されたいわゆる拘禁二法案一刑事施設法案(法務省所管)、留置施設法案(警察庁所管)並びに関連法案一が廃案となった。
拘禁二法案の三度目の提出には当連合会をはじめ多くの国民が反対してきたところであり、とりわけ両法案において代用監獄の存続・強化が図られている点については、国際法曹協会(IBA)などの国際的批判もよんでいた。2年余の国会継続中に、一度の審理もなく廃案となったことは、このような内外の批判を反映するものである。
当連合会は、政府が人権上重大な懸念のある拘禁二法案を四たび提案することのないよう強く求めるとともに、代用監獄を廃止し、国際的人権諸基準を充足する21世紀にふさわしい監獄法改正作業を再スタートさせることを望む。
当連合会は、1992年2月「刑事被拘禁者の処遇に関する法律案(日弁連・刑事処遇法案)」を発表して、拘禁二法案に対置したが、今後の立法作業において、この日弁連案の実現を目指していく所存である。
引きつづき、国民並びに各党各位のご理解とご協力をお願いする。
1993年(平成5年)6月30日
日本弁護士連合会
会長 阿部三郎