会員に対する暴力事件の発生について

昭和63年9月21日、千葉市において、千葉県収用委員会会長である小川彰弁護士が路上において数名の者に襲われ重傷を負わされ、その後同収用委員会の全委員に対し、「委員をやめないと命の保証はしない」「家族に危害を加える」といった電話や手紙を毎日のように送り続ける等して脅迫し、全委員を辞任させるという誠に遺憾な事件が発生した。


この事件は、千葉県収用委員会の機能を停止させることを企図した目的でなされたものであることは明白であるが、いかなる目的であれ、それを暴力又は脅迫などの行為をもって達成しようとするのは許しがたい行為であって、民主主義に対する挑戦であり、法治主義社会に対する許すべからざる暴挙である。


当連合会は、このような事件につき徹底した捜査がなされることを要望するとともに、かかる事件の再発防止と根絶のため、関係機能において速やかに適切な措置をとられるよう強く望むものである。


1988年(昭和63年)11月9日


日本弁護士連合会
会長 藤井英男