弁護士の業務広告に関する会規等の臨時総会での可決にあたって

弁護士による法的サービスを必要とする国民各層から、弁護士及び弁護士業務に関する正確な情報の提供を求める声は、近時つとに高まっています。また、「弁護士倫理」に広告全面禁止の規定があるにもかかわらず、現実には、社会的儀礼の範囲を超えた広告が一部に見受けられ、これに対する各弁護士会の対応にも差異が生ずるなど、混乱が生じていました。


このような状況に鑑み、日弁連は、会員の意見を広く聴収した結果「弁護士の広告は原則として禁止されるが、日弁連が定める規定に従って行う場合はこの限りでない」とする基本的方針を確立し、その旨の会則改正案、広告基準を定める会規案を策定し、本日開催された臨時総会で審議したところ、賛成多数で可決されました。


これにより、今後は秩序ある弁護士の広告が期待され、前述のような国民の声にも応えることができると考えられ、まことに意義深いことであります。日弁連や各弁護士会においても、従前に増して、弁護士の使命と業務に関する広報活動に努め、もって国民と弁護士を一層近づきやすいものとし、すべての国民が等しく弁護士による法的サービスを享受できるような状態をつくってゆかなければなりません。われわれは、このようにして国民の権利の擁護が十分に図れるよう一層努力する考えであります。


国民各位にも一層の御理解をいただきたく存じます。


1987年(昭和62年)3月14日


日本弁護士連合会
会長 北山六郎