監獄法改正問題意見交換会打切りについて

日本弁護士連合会と法務省との監獄法改正問題意見交換会が、本日第22回をもって打切られた。


日弁連は、代用監獄の早期廃止をはじめとする現代にふさわしい監獄法改正を求めてきた。ところが、昭和57年第96回国会に提出された刑事施設法案と留置施設法案は、立法手続きに重大な問題があるとともに、国民の人権にとって危険かつ有害な内容をふくむため、全国の弁護士会をあげて反対してきた。


昨年2月から開始された意見交換会は、刑事施設法案を中心としつつも、セットにされた二法案について、その問題点を双方が十分論議し検討し直すことを期待されていた。しかも、二法案は第100回国会で廃案となり、時間的、内容的な制約が大きく取り払われたのである。


それにもかかわらず、法務省が次期通常国会への法案の再提出にこだわり、日弁連との論議を十分に尽くすことなく本日の事態を迎えたことは、誠に遺憾であり、残念に思う。


日弁連は、このような状態で二法案が国会に再提出されることに強く反対し、その活動を進めて行くつもりである。


1984年(昭和59年)11月19日


日本弁護士連合会
会長 石井成一