財田川事件の無罪判決確定について

本日、財田川再審事件の無罪判決が確定した。


谷口繁義氏の長年に亘る不屈の闘志と多くの方々の支援が見事に結実し、ここに晴れて自由の身となられたことを心から喜び、今後社会の一員として意義ある人生を送られるよう切に願うものである。


さきの免田事件に続いて、再び再審無罪判決が確定することは、わが国の刑事司法のあり方に重大な警鐘を鳴らすものである。


国は、先ず、谷口氏に対して十分な補償を実施してその非を詫び、今回の誤判の原因となった自白偏重の捜査と裁判を厳しく反省し、速やかに再審法の不備を是正するなど、再びこのような事態を繰返さないことを国民の前に明らかにすべきであろう。


日弁連は、他の冤罪事件が1日も早く救済されるように、さらに力をつくすとともに、捜査と裁判の制度や運用の改善について積極的に提言し、真に人権を尊重する司法の実現へ向けて今後とも努力を続けていく所存である。


1984年(昭和59年)3月23日


日本弁護士連合会
会長 山本忠義