梅田事件再審開始決定について

本日、釧路地方裁判所網走支部は、梅田義光氏の請求を認め、再審開始の決定を下しました。


梅田氏は、30年前、虚偽の証拠により強盗殺人事件の共犯者とされ、無期懲役の判決により長きにわたり名誉と自由を奪われ続けてきました。


日本弁護士連合会は、この誤った裁判に抗議し幾多の苦闘を強いられる中で無実を主張し続け、遂に今日、雪冤の扉を大きく開かせた梅田氏の不屈の努力に敬意を表し、梅田氏の無実を信じて長い間同氏を支えてこられたご家族、支援の方々や事実解明に協力された報道関係者にも深く感謝の意を表わすものです。


人権擁護委員会の中で弁護団を編成し、「無辜の救済」に取り組んできた日本弁護士連合会としては、今日のこの決定により、冤罪者の救済が大きく前進した意義を高く評価するとともに、梅田氏に対する拷問脅迫の場となった警察留置場、代用監獄の早期廃止の重大さを改めて痛感し、この恒久化を企て、目下国会に提案されている拘禁二法の成立阻止の重要性を広く国民の皆さんに訴えなければならないと思います。


最後に、検察官には、本日の決定を謙虚に受けとめ、建前にとらわれて上訴することのないよう強く要望すると同時に、梅田氏が再審公判を通じ1日も早く晴天白日の身となるよう日本弁護士連合会は、今後も、最大限の努力を尽すことを誓うものです。


1982年(昭和57年)12月20日


日本弁護士連合会
会長 山本忠義