島田事件再審請求棄却について

静岡地方裁判所沼津支部は、1月27日、季得賢、鈴木一男両名の再審請求を棄却した。


本件では被害者の死亡時刻について確定判決の認定が誤りであることを明らかにした船尾忠孝、吹田和徳両鑑定人の鑑定書が提出され、この新しい証拠と従前の証拠を対比総合すれば、季、鈴木両名の犯行とする有罪判決は維持しがたいものであった。


しかるに、裁判所は不十分な審理にもとづく確定判決の事実認定を追認し、一切の事実の取調べを行うことなく、請求を棄却したのである。このような不当な決定は無実の者の救済を目的とする再審制度の理念にも反し、人権の擁護を任務とする日本弁護士連合会としては、到底認めることのできないものである。


この決定に対しては、本日、即時抗告を申立てた。


我々は、再審開始をめざし、今後とも全力を尽していく所存である。


1982年(昭和57年)2月1日


日本弁護士連合会
会長 宮田光秀