免田再審請求事件検察官の特別抗告棄却決定について

昭和55年12月11日、最高裁判所第一小法廷は、免田再審請求事件について検察官の特別抗告を棄却する旨の決定をなした。


右免田事件は、昭和26年以来実に29年間にわたって無実を叫びつづけてきた死刑再審事件であって、昨年9月27日第6次の再審請求において福岡高等裁判所が再審開始の決定をなし、検察官が特別抗告をしていた。


今回の決定は、死刑再審事件について再審開始が確定した初めての事件であり高く評価される。しかし、この再審開始については実に29年の歳月を要した。このことは現在の再審制度に如何に多くの欠陥があるかを示すものである。この欠陥を是正するため日弁連の提案している再審法改正案が1日も早く実現することを期待する。


1980年(昭和55年)12月12日


日本弁護士連合会
会長 谷川八郎