監獄法改正問題

本日、法制審議会において監獄法改正の骨子となる要綱案の審議が終了し、最も重要な事項であるいわゆる代用監獄についての結論が出された。これによると関係当局は将来できる限り、被勾留者の収容の必要に応じることができるよう刑事施設の増設及び収容能力の増強に努めて、被勾留者を刑事留置場(いわゆる代用監獄)に収容する例を漸次少くすることが明示された。


代用監獄については、日本弁護士連合会はかねてよりその弊害特に自白強要の温床となっている点を強調し、その廃止を強く主張してきたところであり、今回廃止についての明確な表現がなされなかったのは不十分ではあるが、少くとも代用監獄を漸次少なくして行くべきことが明示されたことは、代用監獄制度に対する消極評価とともに、将来の廃止の方向性を明示したものといえよう。


日本弁護士連合会は、今後代用監獄の終局的廃止に向って一層の努力を傾注するものである。


1980年(昭和55年)11月25日


日本弁護士連合会
会長 谷川八郎