早川・太刀川両氏の即時釈放に関する声明

当会は、早川嘉春・太刀川正樹両氏の親族から去る7月31日人権救済の申立てを受け、事件の真相究明の為調査活動を開始した。


いかなる時も、いかなる処においても、人はその固有の人権を奪われないことは、人類普遍の大原則である。


従って、韓国大統領緊急措置が、その措置自体の誹謗に対して重罰を規定するとともに、右措置宣布前の行為の不告知等を処罰することによって実質的に過去の行為をも処罰しようとしていることは、民主国家に例をみない特異なものであり、国際連合憲章、世界人憲宣言をまつまでもなく人類普遍の原理に反して基本的人権と自由を剥奪するものといわなければならない。


朴大統領夫人がテロの兇弾に倒れたことについて深く哀悼の意を表するとともにかかる暴力に対し激しい憤りを禁じえないものであるが、早川・太刀川両氏に対する第2審が開始されるにあたって、前記趣旨にのっとり、日本国政府が両氏の即時釈放の為強力な外交措置をとられるよう要望する。


1974年(昭和49年)8月20日


日本弁護士連合会
会長 堂野達也