伊江島における米兵狙撃事件に関する談話

昨夕、沖縄県伊江村の米軍演習場において、米兵が、附近住民とともに草刈りをしていた日本人青年を車輌で追いかけ、背後から約十五メートルの至近距離で発砲し、同人に重傷を負わせたと伝えられる。


この事件は、右の報道によれば、無防備の沖縄県民に対して背後から車輌で追いかけたうえ発砲するという、沖縄県民の人権を全く無視した悪質なものである。


復帰後二年余り経た沖縄においてこのような犯罪行為が公然と行われたことは、誠に遺憾である。


関係当局に適正迅速な捜査を期待する。


日弁連はこれまでも復帰後の沖縄における基地をめぐる人権侵犯について注目し、調査をしてきたが、本件事件は極めて重大な問題であるので、事案の内容等につき早急に調査をするとともに、今後このような事件をおこさせないため必要な措置をとるよう、日米両政府に要求する。

1974年(昭和49年)7月11日


日本弁護士連合会
会長 堂野達也


昭和49.7.11 理事会承認
同日記者発表