選挙供託金制度の廃止等に関する人権救済申立事件(意見書)

内閣総理大臣、総務大臣及び衆参両議院議長に意見

2022年11月16日



本意見書について

日弁連は、2022年11月16日付けで「国政選挙における選挙供託金制度について、供託金額の大幅減額又は制度の廃止を含めた抜本的見直しを求める意見書」を取りまとめ、同月25日付けで内閣総理大臣、総務大臣及び衆参両議院議長宛てに提出しました。


本意見書の趣旨

公職選挙における選挙供託金制度のうち、国政選挙についてのものは、立候補しようとする者に対して大きな負担となり、憲法15条1項が保障する基本的人権である被選挙権を侵害するものである。 したがって、現在の国政選挙における供託金制度は、供託金額を大幅に減額するか廃止するなど、抜本的に見直されるべきである。



措置後照会に対する回答

当連合会は、2023年9月21日付けで、執行先である内閣総理大臣、総務大臣及び衆参両議院議長宛てに対し、以下の事項について照会を行いました。


当連合会の意見書を受けて、貴殿において改善、対処あるいは検討された事項の有無、また、対処・検討された場合は具体的に、いつ頃、どのような対処・検討をされたのかについても御回答ください。


総務省自治行政局・選挙部選挙課長回答 2023年10月23日

供託金制度は、真摯に当選を争う意思のない安易な立候補の乱立あるいは売名の目的のための立候補等いわゆる「泡沫候補者」を防止することを目的としている。また、我が国の選挙においては、公平な選挙の実現といった見地から選挙公営を実施しているところ、「泡沫候補者」の乱立による選挙公営費用の増大を防止するといった効果もあると考えている。

また、判例においても、供託について定めた公選法92条の規定は、憲法に違反しないと判示されているものと承知している。

供託金制度のあり方については、選挙制度の根幹に関わる重要な事柄であることから、国会において各党各会派で十分御議論いただくべき問題だと考えている。


衆議院事務局・議事部請願課長回答 2023年10月3日

貴会からの意見書については、令和4年12月2日に、陳情書として受理し、同月5日、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会に参考送付いたしました。


(参考)

・衆議院規則第180条

陳情書その他のもので、議長が必要と認めたものは、これを適当の委員会に参考のため送付する。


参議院事務局・議事部請願課長回答 2023年10月11日

貴会からの意見書については、令和4年11月28日に陳情書として受理し、令和5年1月20日に内容に関連のある委員会に参考送付いたしました。