不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案の閣議決定に当たっての会長声明

 

本日、「不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案」(以下「法律案」という。)が閣議決定され、国会に提出された。


同法律案は当連合会が求めてきた不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。)に課徴金制度を導入するものであり、景表法等の一部を改正する等の法律(平成26年法律第71号)第4条に沿ったものである。不実証広告をも対象に含め、主観的要件につき故意・重過失の場合に限定しなかったこと、自主返金による被害救済の可能性が制度化されたことは相当である。


当連合会は、この課徴金制度に関して、2014年8月26日付けで消費者庁から公表された「不当景品類及び不当表示防止法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案(仮称)の概要」(以下「法律案の概要」という。)に対して、①賦課金額の算定について、「100分の3」という課徴金率は、不当表示の事前抑止のために十分な水準とはいえず、引き上げる方向で更に検討すべきこと、②寄附制度の導入をはかることは相当であるが、表示一般に関する消費者被害の回復や、消費者契約法等の規制する不当な契約問題による消費者被害の回復などにも利用可能な枠組みが検討されるべきこと等を求めてきたところである。


しかしながら、閣議決定された法律案は、「100分の3」という課徴金率が維持され、法律案の概要に含まれていた寄附制度は盛り込まれておらず、いまだ不十分であるといわざるを得ない。


当連合会は、表示の適正化及び消費者被害の抑止という目的を果たすため、改めて国に対し、本法律案に少なくとも課徴金率の引上げ及び寄附制度の導入について修正を行った上で、早期に法律案を成立させることを求めるものである。

 

 

 
 2014年(平成26年)10月24日

  日本弁護士連合会
  会長 村 越   進