大阪拘置所における面会受付及び介助に関する人権救済申立事件(勧告)

大阪拘置所長宛て勧告

2023年10月2日


大阪拘置所在監中の申立人が、大阪拘置所所長に対し、身体障がい者である夫が申立人に面会に来た際には大阪拘置所職員による車椅子の移動の介助や面会手続の代行等、申立人の夫が面会に必要とする全ての介助を行うよう願い出たのに対し、大阪拘置所所長は、申立人に対し、「願意取り計らわない」と告知した。当該行為は、「合理的配慮」の提供に不可欠である建設的対話を予め拒否したもので、合理的配慮の不提供に該当し、障がい者を差別するものとして、憲法第14条第1項、障害者権利条約及び障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律第7条第2項に反し許されない。


したがって、障がい者が被収容者との面会のために拘置所を来訪した場合には、拘置所において、当該来訪者の持つ障がいの特性や社会的障壁の除去が求められる具体的場面や具体的な状況を踏まえ、社会的障壁の除去のための手段及び方法について、当該来訪者又はその補助者との建設的対話による相互理解を通じて、必要かつ合理的な範囲で柔軟に対応するよう大阪拘置所に対して勧告した事例。