指紋等のデータベースからの削除を求める人権救済申立事件(勧告)
警察庁・警視庁宛て勧告
2023年2月27日
- 指紋等のデータベースからの削除を求める人権救済申立事件(勧告) (PDFファイル;343KB)
申立人が警察署において取調べを受けた際、警察官が作成した供述調書において、印章を持参していた申立人は署名及び押印をすれば足り、指印をする必要はなかったにもかかわらず、同警察官が申立人に署名及び指印をさせたこと及び上記取調べの際、警察官が申立人の指掌紋のデータを採取し、警察のデータベースにこれを登録したが、後日申立人が上記取調べに係る被疑事件につき嫌疑不十分で不起訴処分となった後も、警察庁及び警視庁が申立人の指掌紋の記録を削除していないことは、いずれも人権侵害であるとして、警察庁及び警視庁に対して以下のとおり勧告した事例。
1 被疑者取調べを行い供述を調書に録取し、被疑者が内容に誤りのないことを申し立てた時に調書に署名及び押印することを求める場合は、指印ではなく印章による押印で足りることを警察官に周知徹底させ、取調べの際に被疑者にその旨説明すべきことを勧告する。
2 捜査中被疑者の指掌紋を採取し、指掌紋記録等を作成した場合において、当該被疑事件につき嫌疑不十分を理由とする不起訴処分がなされた際は、当該データを速やかに削除すべきことを勧告する。