東京拘置所における教誨への立会いに関する人権救済申立事件(警告)

東京拘置所宛て警告

2021年3月22日



東京拘置所は、死刑確定者である申立人に対して、指定教誨師による個別教誨を実施する際、教誨室内の申立人と教誨師の発言を聴取し得る位置に職員が常時着座し、立ち会う運用を行っている。


かかる行為は、憲法第19条で保障された申立人の思想良心の自由、憲法第20条で保障された申立人の宗教的行為の自由、憲法第13条で保障されると解される宗教的人格権を侵害する行為であると警告し、また、このような人権侵害行為は、「教誨時における職員の勤務要領について」(平成27年3月16日付け東京拘置所所長指示第21号)に基づいてなされていることから、今後、同種の行為が繰り返されることのないよう、同指示を直ちに廃止するよう警告した事例。



措置後照会に対する回答

<東京拘置所長名回答・2022年4月28日>


2022年4月6日付け日弁連人1第20号をもって再照会のありました標記について、下記のとおり回答します。


これまでご説明してきたとおり、当所においては、本件人権救済申立てがなされた当時から、立会いの必要の有無を教誨実施前に教誨師にあらかじめ口頭で確認し、その要請を受けた上で、個人教誨に立ち会う運用としていることから、本警告をもって改善・対処すべき事項はないものと認識しています。


なお、当所が当時通用していた平成27年3月16日付け所長指示第21号「教誨時における職員の勤務要領について」において、その戒護方法の表記にやや誤解を招きかねない記載があったことから、平成30年8月29日以降、同指示の記載内容を見直し、当所の規律及び秩序の維持上、特に必要と認められる場合のほか、教誨師からの要請があった場合に、職員による立会いを行う旨を明記して運用しています。