昼夜居室処遇に対する審査の申請に関する人権救済申立事件(勧告)

法務大臣、加古川刑務所宛て勧告

2020年3月2日

 

 

申立人は、加古川刑務所において受刑中、反則行為の調査のため昼夜居室処遇を受け、その期間中刑務作業は居室で1人で行い、運動もほとんど1人で、所内の行事への参加もできず、テレビの視聴もできない等の処遇により、他の受刑者と遮断され、時事の報道に接する機会も制限されるなど実質的な隔離状態に置かれた。また、これに対し審査の申請をしたところ、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律154条4項の規定による隔離の措置を執った事実は認められないとして却下の裁決を受けた。しかし、このような実質的な隔離に相当する処遇は法律の規定に基づかない重大な不利益処遇として許されず、また、これが審査の申請の対象にならないとされることは、そのような不利益処遇の救済に必要な適正な手続の保障を欠くものであって、憲法13条、同31条、「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(自由権規約)7条及び同規約10条1項に違反する人権侵害に当たるとして、以下のとおり法務大臣及び加古川刑務所に対して勧告した事例。


1 法務大臣宛て

(1)受刑者に対する反則行為の調査のために事実上行われている昼夜居室処遇については、隔離の要件及び期間を制限した同法154条の趣旨を勘案し、その調査目的に照らして必要やむを得ない場合に、あくまで一時的・暫定的なものとして、調査目的との関係で必要最小限度の期間に限定したものでなければならず、その期間中においても、その処遇が実質的な隔離となることがないよう、できる限り、作業、運動、所内行事等に集団処遇を取り入れ、居室内でのテレビの視聴により時事の報道に接する機会も得られるようにすることを、各刑務所長に徹底すること。

(2)反則行為の調査のために昼夜居室処遇が行われた場合に、この処遇を審査の申請の対象とするための所要の措置を講ずること。


2 加古川刑務所宛て

反則行為の調査のための昼夜居室処遇は、隔離の要件及び期間を制限した同法154条の趣旨を勘案し、その調査目的に照らして必要やむを得ない場合に、あくまで一時的・暫定的なものとして、調査目的との関係で必要最小限度の期間に限定したものでなければならず、その期間中においても、その処遇が実質的な隔離となることがないよう、できる限り、作業、運動、所内行事等に集団処遇を取り入れ、居室内でのテレビの視聴により時事の報道に接する機会も得られるようにすること。