東京都知事による性的少数者差別発言に関する人権救済申立事件(警告)
元東京都知事石原慎太郎氏宛て警告
2014年4月22日
- 東京都知事による性的少数者差別発言に関する人権救済申立事件(警告)(PDFファイル;382KB)
元東京都知事である石原慎太郎氏は、東京都知事であった時に、東京都庁を訪れて条例改正案の成立を求める要望書を提出した東京都小学校PTA協議会等5団体の代表者に対し、「子供だけじゃなくて、テレビなんかにも同性愛者が平気で出るでしょ。日本は野放図になり過ぎている。使命感を持ってやります」等と発言した。
また、都政記者クラブ所属の記者から上記の発言の真意について質問を受け、「(同性愛者は)どこかやっぱり足りない感じがする。遺伝とかのせいでしょう。マイノリティーで気の毒ですよ」等と発言した。
さらに、週刊ポストに掲載された記事において、「同性愛の男性が女装して、婦人用化粧品のコマーシャルに出てくるような社会は、キリスト教社会でもイスラム教社会でもあり得ない。日本だけがあってもいいという考え方はできない」等と主張(発言)した。
かかる各発言は、いずれも東京都知事としての発言であり、同性愛者等の性的少数者を蔑視し、社会から排除しようとする差別発言である。また、性的少数者に対する差別あるいは差別意識を助長する発言であり、性的少数者の人権を侵害している。石原氏が現在も衆議院議員であり、これまで日弁連が差別発言による人権侵害を二度にわたって指摘し、要望及び警告してきたことを踏まえ、同氏に対して他者の人権を侵害する差別発言をこれ以上繰り返さないよう強く反省を求め、再度警告した事例。