父子家庭への遺族基礎年金等の不支給に関する人権救済申立事件(勧告)

厚生労働省宛て勧告

2013年12月2日


 

遺族基礎年金は、夫が死亡した母子家庭には支給されるが、父子家庭については、2014年(平成26年)4月1日以降に被保険者である妻が死亡した父子家庭に限られるため、男女間の平等に反し、父子家庭間での不平等も生じさせるもので、憲法14条に違反する。


また、遺族厚生年金のみを受給している死別父子家庭には児童扶養手当が支給されないが、遺族厚生年金の給付額は低額であり、児童扶養手当との併給制限により子の福祉に反し、子の生存権が侵害されるおそれがあるうえ、遺族厚生年金を受ける地位にある者とそうでない者との間に不合理な差別を生じさせており、憲法14条に違反するおそれがある。


これらの取扱いについて、厚生労働省に対し、2014年(平成26年)4月1日より前に被保険者である妻が死別した父子家庭にも遺族基礎年金が支給されるよう具体的な法的措置を採ること、及び、遺族厚生年金のみを受給している死別父子家庭の年金受給額が児童扶養手当より低額である場合の改善策を講じることを勧告した事例。