カネミ油症被害人権救済申立事件(勧告・要望)

農林水産省、厚生労働省、内閣総理大臣、衆参両院議長、A株式会社宛勧告、B株式会社宛要望

2006年4月17日

すべてのカネミ油症の被害者を救済するため、国に対し、国を主体とする認定手続の確立、治療方法の研究・開発、医療費・医療関連費・生活補償費の支給、いわゆる仮払金返還請求権の全額免除の措置の実施等の方策を採るよう勧告するとともに、企業に対し、被害者に支払う医療費の範囲の拡充、相当額の損害賠償等の金員の支払、国が行う被害者救済に関する事業に対する協力等を行うよう勧告・要望した事例。


執行後照会に対する回答

株式会社Y
                               2018年3月2日



1 回答
貴会からの2006年4月17日付け要望書記載の要望には副いかね、したがって要望について特に対処はしていません。


2 ご要望に副いかねる理由
カネミ油症事件はX株式会社の「食品製造業者として全く非常識かつ異常な違法行為」により発生した事件であって、当社に責任はありません。このことは昭和61年5月15日の福岡高裁判決および昭和62年3月20日の最高裁判所和解によって明白です。この最高裁和解においては当社に責任がないことが確認されるとともに、最高裁和解までになされた判決等による仮執行金等について、これを受領した原告患者には当社への返還義務があることが認められました。しかしながら、当社は裁判所の判決・決定に基づいて一旦油症患者の方々に支払われた金員の返還を法的に強制することはしないこととし、さらに原告らの執行金額の間の大きなバラツキを是正・調整する措置をも講じたものであり、これらにより当社は油症事件に関しては法的責任がないにも拘わらず合計約105億円余の負担をしており、同事件については尽くすべきは尽くしたと考えています。
上記の点は、貴会の2005年3月31日付「人権救済申立事件に関するご照会」に対する2005年4月26日付の回答書により明確にご回答申し上げているところです。
以上のとおりですから、当社に対してカネミ油症事件に関してさらなる出捐を求める旨の貴会の上記要望書記載の要望には副いかねます。


                                     以 上