公害被害者の救済に関する決議

公害による健康被害者に対する救済は、今なお緊急かつ重大な課題である。


4年前に制定された公害健康被害補償法による救済制度は、多数の公害被害者に対し、迅速かつ公正な被害の救済を図ることを目的として発足した。


しかるに、世界に類のないこの制度も、過去3年間の実施状況を通じて種々の欠陥が露呈されてきている。


関係当局は、「疑わしきは救済する」との理念に徹して、すべての公害被害者が迅速かつ完全な救済が得られるよう、すみやかに、次の改善措置を講ずるべきである。


  1. 大気汚染の汚染原因物質に窒素酸化物を加え、指定地域の拡大を図ること
  2. 公害病認定に当っては、主治医の意見を尊重し、迅速に行うこと
  3. 補償内容を改善し、公害保険福祉事業を充実させること
  4. 水俣病認定業務の促進を図ること
  5. 慢性ヒ素中毒症につき、その「指定疾病」に「内臓疾患を含む全身的障害症状」を加えるなどして、従来の認定枠を拡大すること

右決議する。


1977年(昭和52年)10月8日
第20回於大阪市