医薬品の副作用による被害救済に関する決議
近時、医薬品の副作用による被害が多発し、極めて深刻な社会問題となっている。かかる被害頻発の根本原因は、国民の生命・健康に対する安全性を無視した国の薬事行政の欠陥と、製薬企業の営利主義にある。
よって、国は被害の迅速かつ完全な救済と、将来における被害発生の根絶を期するため速やかに次の措置を講ずべきである。
- 救済制度の確立
- 製薬企業の無過失責任を法制化すること。
- 国および製薬企業は、共同して、救済基金を拠出し、被害の回復と社会復帰のための万全の措置を講ずることを根幹とする薬害被害救済制度を確立すること。
- 薬事法の抜本的改正
- 新薬の製造承認の要件を厳格化すること。
- 医薬品の販売、広告に対する規制を強化すること。
- 医薬品の副作用情報の周知徹底、副作用の疑いが生じたときの販売停止、製造承認の取消・変更および当該医薬品の回収・廃棄に関する規定を定めること。
- 臨床試験につき被験者の同意を得る旨の規定を定めること。
- 薬事行政に対し、資料の公開・措置請求など国民的監視を可能にする法的手続を保障すること。
- 国は、薬事法の右改正をまつまでもなく、従来の消極的行政の姿勢を改め、憲法25条の保障する国民が健康で文化的な生活を享受する権利を積極的に実現する行政を推進すべきである。
右決議する。
1974年(昭和49年)11月9日
第17回於水戸市