幼児の生命擁護に関する件(決議)

最近、親子心中その他の家庭悲劇において親権者の恣意により幼児の生命が奪われている事例が多いことは文化社会の恥辱である。


よって、幼児の人権尊重の普及徹底をはかり、併せてかかる悲劇を根絶する社会施策の実現を要望する。


1959年(昭和34年)10月24日
於岡山市、第2回人権擁護大会


理由

最近引続いて、一家心中による家庭悲劇が日刊紙面を賑わしている。それぞれ家庭事情からこうした悲劇が生れているわけであるが、罪のない幼児の生命が親の恣意により断たれている事実を想うとき、こうした悲劇を放置しておくことができない。


貴重な生命の擁護は、文化社会における人間相互の義務である。この際幼児の人権尊重の普及徹底を期するとともに悲劇根絶のための社会施策を当局へ要望するものである。