議員の議場内における自粛に関する件(決議)

近時、地方議会、国会議場内において公務に従事する議員の暴力行為が頻発しつつあることは、まことに憂慮に堪えざるところである。


さきに、埼玉、茨城県下の町村合併に際し、暴力沙汰あり、近くは衆・参両院議場内における暴力行為あり、斯の如きは人権を尊重することを使命とする公務に従事する議員として許し難く、民主政治の発展を阻害するものである。将来この種の禍根の一掃を期し国民の負托に応えんことを要望する。


1956年(昭和31年)10月27日
於佐賀市、人権委員会秋季総会


理由

本年6月1日夜間の参議院議場内における暴力事犯は、遂に国会職員に対する暴行傷害を加える人権侵犯の事態を惹起するに至った。そしてその弊風は地方議会にも波及し、議場における暴力は頻発するに至った。


斯の如きは、民主主義政治の発展を阻害するものであって、われわれはこの事態を黙視できない。これら議会が将来、速やかにこの種の弊害を一掃して、もって国民の負托に応えるよう要望して止まない。