保護施設収容者に対する人権擁護に関する件(決議)
近時、乳児院、少年院等保護施設に収容されている者に対し、往々人権侵害の事実あるは極めて遺憾である。
当局関係者は、これが防止に最善を尽されんことを要望する。
1955年(昭和30年)11月12日
於松江市、人権委員会秋季総会
理由
曩に、新聞紙等に報道せられ、当委員会の調査の結果関係各方面に警告を発した名古屋市立乳児院の乳児に対する人体実験、河内少年院に於ける暴行事件等近時保護施設に収容されている者に対する人権侵害事件の頻発を観るは、人権擁護の見地よりして真に憂慮に耐えない。殊に被収容者が意思能力を欠く場合、或は被収容者の立場上侵害に対する救済を求むること不能若しくは困難な場合が多いことに思いをいたし、関係当局者は良識と最善の措置により之が防止に当られんことを要望するものである。