務員の職権乱用排撃の件(決議)

新憲法実施後5年に及ばんとする今日、国民の基本的人権尊重が近時無視されつつある傾向は洵に遺憾の極である。


特に、犯罪捜査の職に当る警察官の暴力沙汰、ピストル誤発又は不法なる示談の強要、税務官吏の不法なる強制執行をなして、その権利を乱用し、学校職員は生徒に対し暴行等の不法行為を行うことを聴く、


われらは、之等職権乱用の行為者に対し、徹底的に糺弾し、人権擁護の実を揚げることを期す。


1951年(昭和26年)10月19日
於仙台市、人権委員会秋季総会


理由

公務員の職権乱用は各方面に見られ、一般国民の迷惑は言語に絶するものがあるが、茲に、特に警察官の捜査取調べに当り暴行、拷問沙汰や、税務官吏の詐欺事件や、強制執行によって営業を停止せしめる不法行為、学校職員の生徒に対する暴行等、その顕著なる不法行為が挙げられる。


そもそも、身をもって国民にその範を示すべき立場にある公務員が斯る不法行為をなし、恥ないことは許されない。これら、職権乱用の発生を防止することは刻下の急務である。