牢名主的風習の絶滅の件(決議)

神戸地方に於て、封建的宿幣たる警察署留置場内における所謂牢名主的風習が依然として存在することは、人権尊重の上より許し難いところである。


当局は、速かに之が絶滅に付適当なる方策を講ずべきである。


1950年(昭和25年)10月21日
於京都市、人権委員会秋季総会


(理由)

神戸地方に於ける留置場内には牢名主的の存在する悪幣があり、既に神戸弁護士会では、之を取り上げて幾度か生田警察署に絶滅を申入れてきたが、本年になってからも、4、5名の負傷者を出している。しかも警察官は、この陋習を利用している有様であって洵に由々しい問題であり、人権蹂躙も甚だしいから、これが絶滅を期するため強力な対策を講ずる要がある。