臨時総会・司法基盤整備・法曹人口問題に関する関連決議

平成6年12月21日
東京商工会議所ホール
臨時総会
関連決議


  1. 当連合会は、法曹人口のバランスのとれた増加は司法改革と不可分一体のものであり、法曹の層を厚くすることが司法改革全体の推進を促し、また司法改革の前進が現実に法曹人口の増加を可能にするものであることを確認する。
  2. 裁判による国民の権利実現の強化をめざし、将来における法曹人口のあり方については、改革協の論議を踏まえつつ、法曹三者の協議により「司法基盤整備・法曹人口問題基本計画」(仮称)を策定する。
  3. 「司法基盤整備・法曹人口問題基本計画」については総会の承認を経なければならない。
  4. 当面の司法試験合格者数については、今後5年間800名程度を限度とし、この間に、平成3年度以降の状況も含めて法曹三者の充足状況及び司法改革の進捗状況を検証する。「司法基盤整備・法曹人口問題基本計画」はこの検証の結果を踏まえたものでなければならない。

(提案者・辻 誠)


関連決議(案)提案理由

  1. 本日の臨時総会は、法曹人口問題をめぐって、会員の間には、様々な意見が存在していることを改めて明らかにした。しかし、そのほとんどの意見が、国民のための司法改革をいかに前進させていくかを真剣に考えているという点において一致している。
    したがって、この一致点を大事にしながら実証的な研究・討議をただちに着手することにより、一段高いレベルでの会内合意を形成して、全会員が司法改革に取り組んでいくことができるような状況をつくるべきである。
    この関連決議はこのような趣旨と意図のもとに提案するものである。
  2. 関連決議の第1項は、司法改革と法曹人口の基本的関係を明らかにしたものである。この両者は「いずれが先」といった関係ではなく、不可分一体の関係にあるととらえるべきである。
  3. 第2項は、法曹三者の協議により、「司法基盤整備・法曹人口問題基本計画」(以下「基本計画」という)を策定すべきことを提唱するものである。
    この提唱は、現時点において、法曹人口問題に関する日弁連としての会内合意の形成が十分とはいえない現状にかんがみ、さらに、今後実証的な研究討議を積み重ねる中で、大多数の会員が納得できる会内合意を形成し、これを法曹三者の協議に反映させようとするものである。
  4. 第3項では、右「基本計画」はきわめて重要なものであるから総会の承認を経ることを求めている。
  5. 第4項は、(1)司法試験合格者は、今後5年間800名程度を限度とすること、(2)この間に600名程度に増員された以降の状況も含めて増員による法曹三者の充足状況の結果及び司法改革の進捗状況を継続的に検証すべきこと、(3)「基本計画」は右検証の結果を踏まえなければならないことを求めている。
  6. この関連決議を満場一致で採決することにより、日弁連が団結して司法改革に取り組んでいけるようになることを心から期待するものである。